佐伯先生の優しすぎる嘘





眩しすぎる青空から目を逸らして、足元だけを見ながら歩く。


無意識のうちに来ていたのは、裏庭のヒマワリの花壇。


綺麗で真っ直ぐなその花は、私の心をもっと締め付けた。


裏庭はなかなか来ることがないので、人通りがない。


その場にしゃがみ込むと、涙がアスファルトを濡らした。




桃果は佐伯先生に告白したのか、とか。


もしそうだとしたら佐伯先生は何て返事をしたのか、とか。


この手紙が佐伯先生の手元ではなくて廊下に落ちていたのはどうしてか、とか。


中尾先生の言葉とか。


自分の気持ちへの罪悪感とか。


先生達の信用も全部失っちゃったのかな、とか。


これが佐伯先生の迷惑になったらどうしよう、とか。




色んなことがぐるぐると頭を回って、だけど解決法なんかひとつも浮かばなくて。



自分がしたことが正しいのかもわからないけど、桃果を守れたなら良いかな、とか。


きっと桃果よりは私の方が上手く収められたと思う。


桃果だったらきっと、もっと大事になってしまうかもしれないから。





…だけど、でも。




心の中の黒い部分がどんどん大きくなる。


私の気持ちはどうすれば良いの…?