佐伯先生の優しすぎる嘘




「じゃあ、俺はそろそろ職員室戻るね」



しばらく手伝いをしてくれた佐伯先生は、頑張ってね、と笑って教室を出て行った。

その背中は窓から入る太陽の光を浴びて眩しくて。

真っ白なシャツが、より綺麗に見えた。







「よし、そろそろ腹減ったし休憩にしようぜ!」


そのひと言に時計を見ると、1時半だった。

楽しい時間はあっという間だなぁ、と思いながら、みんなでお弁当を広げる。

暑い夏休みにみんなで教室でご飯を食べる、それだけで何だか楽しくなった。





「…あれ、これ先生の忘れ物かな?」



そこにあったのは、ペンキがつかないように外していた佐伯先生の腕時計。


見覚えのあるその時計に、咄嗟に立ち上がる。



「あ、私届けてくる!」


「あ、本当?ありがとう!」


大丈夫、と笑って腕時計を受け取り、職員室へ向かった。