「じゃあ、ここの問題をー…水島さん」
普段なら当てられたくない授業だけど、佐伯先生に名前を呼ばれるだけでドキドキして。
たった1時間の授業はすぐに終わって、皆どんどん教室を出て行く。
本当は佐伯先生と喋りたいけれど、今日は文化祭の準備の日だ。
仕方なく話しかけるのを諦めて、自分の教室に向かった。
文化祭で、私たちのクラスは和風喫茶をやることになった。
教室を和風に飾り付けて、浴衣を着て接客をする。
売るのはお茶とお団子と白玉だ。
「おはよう!」
ガラッと教室のドアを開けると、もう十数人が集まっている。
「杏奈ー!」
「会いたかったよ、久しぶり!」
みんなで2週間ぶりの再開を楽しんで、作業に移る。
作るのは、看板や内装。
私は夕羽たちと、入り口に置く看板を描き始めた。
和風喫茶の文字を看板に下書きしていく。



