佐伯先生の優しすぎる嘘





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「あら、そんなにオシャレしてどこ行くの?」


家を出ようとしたところでお母さんに聞かれて、


「夏期講習!」


と答えてドアを開けた。


通学路を通るのも、2週間ぶりだ。



夏服になった半袖の制服。

少し伸びて背中に届くくらいになった髪は、くるくる巻いてポニーテールにした。

メイクは、少しだけ。

久々に佐伯先生に会える緊張と同時に、胸がふわふわと幸せだ。




「おはようございます!」



夏期講習の教室に入ると、2週間ぶりの佐伯先生がおはよう、と笑ってくれた。


あまり日焼けしていない佐伯先生は、髪が少し短くなっている。





「髪切りましたね!」


「うん、暑いからね」




夏期講習に申し込む人なんてあまりいなくて、大抵は学年で20人くらいなんだけど…。


この国語の講座は佐伯先生が担当だからか、席が埋まる40人くらい人がいた。




ほとんど女の子だなぁ。


…まあ、私も人のことを言えない佐伯先生目当てだけど。