佐伯先生の優しすぎる嘘





「杏奈が佐伯先生と上手くいくように祈ってるよ」


「私も夕羽が幸せになるように応援してるよ」




いろんな事を話しながら、夕羽は亮くんと付き合う事に決めたらしい。




「夕羽ちゃん来てるの?」




ガチャ、と開いたドアから顔を出したのは、桃果だった。



「桃果ちゃーん!」

「夕羽ちゃーん!」



よく私の家に遊びに来る夕羽は、桃果とも仲が良い。


ミルクティー色の長い髪をポニーテールにした桃果は、夏休みなのに制服を着ていた。


暑い中外から帰ってきたのと、夕羽がいると分かって階段を駆け上ってきたのとで、顔が少し火照っている。




「あれ、桃果ちゃん制服?」

「あー…今日ね、補習だったんだ…」



数学の成績が悪くて、夏休みの講習に強制参加をさせられたらしい。



「そんな事より…!

お姉ちゃんたちの担任って佐伯先生なの!?」



興奮気味に聞いてくる桃果に頷くと、



「いいなぁー!!!」

とジタバタする。



…嫌な予感は、した。