佐伯先生の優しすぎる嘘





「あの…水島さん、ちょっといいかな?」




最後のプリントにホチキスを留めたところで、教室に入ってきた人に声をかけられた。

たしか、隣のクラスの男の子…。




「私?」

「うん、ちょっと来てくれないかな」



チラ、と夕羽の方を見ると、行ってきな、って顔をして頷いてくれたので、彼についていく。


連れてこられたのは人気のない渡り廊下。

綺麗な夕焼けが窓から差し込む。