もうツッコむのも疲れた、この人たち相手じゃ…



「めんどくさいことは、嫌いなのに」




自然と私の口から出た言葉をナミがニコニコしながら「大丈夫大丈夫!」と言った。





「全然めんどくさくなんかないからさ。


むしろ、楽しいよ?」




そう言ったナミは、そのキレイな顔を色気ムンムンな感じで微笑む。



柊もいつの間にかタブレットを手にしてるし。



2人ともあんな死闘をくぐりぬけ…いや、柊はフェイクか。



だけどフェイクでも、本人だってやっぱり疲れてるんじゃないのかな。





「おい2番目、準備は良いかよ」



「実力的には1番とも限らない会長さん、私はいつでも」




んじゃあ、と柊は私たちに目を向ける。




「お前らはどうよ」



クイッと右の口元を上にあげながら言う柊は、なんだかいつも以上にかっこいい。



きっとそれは、柊自身も興奮してるからなんだろうけどさ…戦いに。




「僕は時間を伝えますので」



零がポイセを見ながらも、少し私の方を見る。



思わず出たため息。



けど「しょうがないや」とつぶやいて。



そっとチョーカーのルビーに触れる。





「…私は全力で、応援してあげます」



「そりゃどーも」


「よし、行くかー!」





2人はキラッキラな笑顔で、私たちの横を駆けてゆく。



無感情な目をした、彼ら…人形へと。