何を?と問おうとしたところで、零がハッとしたような顔つきになる。



そうゆうことですか、と納得したように深くうなずく。




…また私だけ分からない状態!?



ちょっと、私には説明してもらわなきゃ分からないって!




「僕の勝手な推測かもしれませんが…」




零は、両手をパッと広げて、1本1本バラバラに滑らかに動かせて見せた。




右手も左手も、親指も小指もバラバラに動かす零。






…まるでマジシャンが手品を始める前に「タネも仕掛けもありません」と言いながらやる動きみたい。





「マジシャンは”手品師”なんです。

”奇術師”ではない」



つまり、と零は鋭い目つきで静かに続けた。




「必ず、仕掛け…”トリック”がある。


もしかして柊は”トリック”を見つけたのではないですか?」




「…お見事」



そ、そっか…


マジシャンは、マジシャン。


ナミは魔法使い…”奇術師”だけど、Qは”手品師”。




マジシャンだって簡単な魔法は使えるらしいけど…きっと全てに”トリック”が隠されているんだ。




「で、Qのトリックはなんなの!?」