学園世界のイロジカル

「…はぁ?なんでだよ」




明らかに不機嫌そうな顔で柊は冷たく言った。


まぁ、ずっと不機嫌だけど…




「任せてよ。これでも一応忍者なんだ。

姿隠して、みんなより一歩先を進んでみることぐらいたやすい」




「…メリットは」




「危険を予知できるだろ?

妙なものに足を止めてたら、お前は生徒会長にもなれないぞ」



つまり龍矢は、先に行って、もし敵が出たとしても私たちが来る前に片づけるというのだ。



龍矢の強さは計り知れないほど大きいのだと思う…けど、1人でこんな薄暗いところをうろついてて、危ない気がする。




ちょっと考え込んだ柊だったけど、ため息をついて「分かった」と渋々、といった様子で承諾していた。




「さんきゅ。じゃーね、たまに顔だすよ」




私たちの返事も聞かず、颯爽と奥の闇へと消えてしまった龍矢。



…本当に、不思議な人。



龍矢の考えてることって、本当に分からない。




さっきの”メリット”のことだって、まだ納得しかねてるのに…




「行くぞ。もう時間もない」



今、何時なんだろ。

そう思って、パーカーのポケットからポイセを取り出す。


「もう6時45分過ぎてる…!」



「え、あと1時間もないじゃん!

柊君、早く行こ!」




可愛い顔をあわてた顔に変化させたアレイ君が柊を急かす。



分かってる、と短く答えて柊は少し走り出した。