「あーもう、なにかの手違いかなんかでQがここに現れてくんねーかなあ!

そしたらもう…殺してやれんのに」




殺意を隠そうともせず、柊は口をピクピク震わせながら絞り出すような声で言う。




「なにかの手違いってなんですか。

転送魔法とかなんとかで、ここに来るんですか?」




「マジシャンは魔法使いと似てるからね。

少しなら魔法も取り扱えられるよ」



便利な職だなぁ、マジシャン。


(見るのが)好きだし、ちょっといいかも、なんて思ったり。




…その矢先。





__ドンッ!!





「……いったぁい!!うぅ……」



「…どこよ、ここ」





…へ?


衝撃音(?)がした後ろを振り返ると。



……そこには、まだ完全に消えていない、体に淡い藍色の光をまとった……男子と女子がいた。





「…ホントに何か降ってきたけど……?」






男子の方は、ゆるい栗色の天パで、同じ栗色のくりくりした目に少し涙をにじませながら…

しりもちをついていた。多分…着地に失敗したんだと思う。


可愛い系男子っていうのかな。まるで女の子のように可愛い。




服装は栗色のやつれたコートに、カーキ色のズボン。


…全体的に、栗色っぽい男の子だ。