柊につられ、私と零も龍矢のポイセを覗く。




「ま、予想はついてたけど。

俺に昔学生決闘で負けた高3のやつだな」




「…彼は”マジシャン”。

老若男女、なんにでも化けれるし…

マジシャンは謎あっての職だから、本名は公表してないみたい。


今日中には掴めると思ったけど…こうなったしね」




画面には、私たちをここに送ったと思われる男子の情報が書かれていた。



けど、本名も顔も分からない。しかも相手は、なんにでも化けれるマジシャン。



半世界のマジシャンでもトップクラスらしく、かなり強いらしい。




「俺と決闘したマジシャンはたくさんいるし、全員が変装してた。

こいつの通り名…”Q”は、俺が最も苦戦したあんときのマジシャンかもな」



思い出すように目を閉じた柊だけど、すぐに首を振る。


きっとその時も変装してるんだろうし、情報も偽装だろうってことが分かったのだと思う。



”Q”…私たちをここに送った目的って…





「”Q”は会長候補だったんだよ。

けど、もう1人の会長候補の柊に負けたことで、会長にはなれなかった」



会長になり損ねて…逆恨みしたってことかな。


プライドもあっただろうし、相当悔しかったんだろうな…



…だからと言って、私をここに送ったことは許さないけどね!



「会長しか見えない、と五傑席候補を辞退してるけど…

その時から、この計画を立ててたのかもね」




柊を半世界五傑席決めに遅刻させ、会長就任権を奪い…


その空いた席に座ろうとしてるってこと…か。


やっと大体つかめてきた気がする。