学園世界のイロジカル

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私が彼女と出会った時、彼女はこの世界に来たばかりだった。




「親切ですね。名前を聞いていいですか?」



「はは、名乗るものでもありませんから」



「そうですか…

でもこのお礼、絶対にしたいですっ!」




その頃私がハマってたのは、こっそり王城から出て外であそぶこと。



そしてその遊びとは、この世界の女をなんらかの理由で助け、女からの誘いを承諾すること。




「あ!ちょっと、付き合って欲しいんですけど…」



その言葉を聞いて、私は心の中でほくそ笑んだ。



この女も他の女と同じ。



違うといえば、とてつもない美しさを持っていることぐらいだ。悪くない。




…そう。最初は他の女と変わらない存在だった。




「あ、私ですか?

沙羅。さんずいに少ないって字の沙に、羅針盤の羅です」




そう言って明るく笑う彼女にひかれていくなど、その時は思いもしてなかった。