しかもそれが一気にまた10体以上現れたんだから…そりゃ大変。



その対応に追われて、みんながそっちにいってる時に、私はこうして菊と手を合わしている。




けど…ダメだ。



菊は、強い…!




ほっそい身体のどこからそんな力が出るの!?と聞きたくなるほど力は強いし、


スピードも半端じゃない。



能力が能力だし、ここ最近基礎戦闘を極めてきたつもりだったけど…



まだまだだったみたい。




「ぐっ…!はあ!」



菊の拳を両手で受けとめ、そのまま飛ばす!


ああもう!



さっきまであったはずの、魔物の強大な力がもう1度欲しい!




それだったら…ほんの数メートルなんかじゃなくて、もっと飛ぶのに…!!




「…お互い厄介な能力を持ってますよね」



「はあ、はあ…ん、なんの…話?」



「言った通りですよ。

椿も俺も、相手が能力を使わないと意味のない能力ですから」





…そんなこと言われても、私は菊の能力をしらない。


まず職もなんなのか知らない。



…王子?


いや、王子の能力なんてあるわけないし…