*



私が話し終わると、辺りは急に静まり返った。



妙に気まずくなって、思わず下を向く。




らしくない、かも。



こんな過去の話をすること自体、私らしくもなかった。




できれば誰にも話したくなかった。





けど…


話さざるを得ない、この状況にいざ立ってみると。



話した方がいいのでは、そう思ってしまった。




それはきっと間違いだったんだよね。



きっと私の本能は、ただ自分が楽になりたかっただけなんだ。




ずっと、ずっと…この6年間、そのたった1日の出来事で頭がいっぱいだった。



私の人生を左右してしまうほどに。




1人で知っていればよかったんだ。



みんなに教えたところで、重荷がみんなにも分け与えられるだけ。



私は軽くなったわけではなくって、重荷をしょってくれたみんなを見て罪悪感からまたさらに重荷を持つことになった。





「…ごめん、ね」




口から出たそのたった4文字は、なんて無責任な言葉なのかな。