もう、嫌だよ。疲れたよ。



お母さんもお父さんもいない私。



幸せな家族が欲しいなんてワガママ、言わないから。お願い。





私を理解してくれる人が、もしできたら…





「大丈夫?」




だ…れ……



薄れゆく意識の中、必死で視界の中の人物をとらえる。



私を心配そうな顔で見ている…





「あら、すごい熱!

…待ってて、今すぐ助けるわ」





私をお姫様抱っこで、彼女の家まで運んでくれた。



けど…持ち上げられた時にはもうくらくらだったから…



…すぐに、私は寝てしまっていた。





「あら、目が覚めたの?」



「…ここ、は…」



「ここは私の家よ。

安心して」





そう言った彼女の首元に、

綺麗な赤い宝石がついた…チョーカーがあった。