目を開けると、見慣れた私の部屋の天井があった。






「っ、私、王城に…!!


…って、あれ…?」





なんで自分の部屋のベッドの上に…?


まさか、夢?


え、どこから?




「…いや、夢なんかじゃない」




菊は確かにあの時…移動魔法を使っていた。

いや、菊が使っているのかは分からないけど。




じゃあ、今っていつ…!?



「……良かったぁ、今度は一日かぁ。龍矢の時はマシだー…

…って、一日ぃぃ!?」






私なんで今「マシだ」とか思ったの!


全っ然マシじゃない!



王城に向かったのが一昨日の深夜の11時前で…


今が朝の11時だから、もっとだし。



うーん、これからどうしよう…



…とりあえず零の家に行こうっと。



…その前に腹ごしらえとシャワーをしよう、やっぱり。



腹が減っては戦はできぬ!だもんね!





簡単な食事(お腹はそんなに空いてなかった)とシャワーを終えると、私のストックしていり赤パーカーを羽織る。



一応管理委員会の黒コートも持っていこーっと。暑いけど…着るときは我慢しよう。



ポイセの充電を確信して、外へ出て、隣の零の家のインターホンを鳴らす。




『はい』



「あ、椿です!零も今起きたところ!?」



『いえ、2時間ほど前でしょうか…あ、今開けます』