__彼に全てを押しつけて

忘れたフリをしていた__









「おめでとう、君も編入試験は合格です」




「…ありがとう、ございます」




結構すんなりと入れたことに、驚きを隠せなかった。



少し後悔している自分を見つけて、「違う」と思わずつぶやく。







「…なにが違うのかな」




「いえ…た、ただ…

……もう、過去のことなのです」






ごめんなさい。

ごめんなさい。

押しつけて、ワガママ言って、ごめんなさい。

ごめんなさい、ごめんなさい、とただひたすら彼に心の中で謝る。




「…過去のことと言っておきながら泣く君は、

とてもずるい人だろうね」





いつの間にか流れていた涙を、私はそっと拭いた。




「…私は、ずるい人間ですから」














とある少女はただ願った













『忘れたい』