学園世界のイロジカル

「…長月宮学園?」



「そう。

隔離された学園は私立だけどなぜか安くて、

しかも全寮制。

学園の敷地内にはお店もたくさんあるらしいの」




ナミがそう言って、長月宮のパンフレットを渡して来たのはそれから2週間ほど後のこと。




「…編入するってこと?」



「…編入オーケーだってさ、試験さえ合格すれば」




彼女の震えた声に、気付かない方がおかしいと思う。


そっとベッドの中で彼女を抱きしめた。



「無理をしなくて、いい。

俺はこのままでいい。公立の中学にも通えるし…」



腕の中で、またナミは泣いた。

ぎゅっと抱きしめて、少し経った時。


彼女の消えてしまいそうなほど小さな声が、聞こえた。



「…ダメ、なの…」



「え?」



「私がダメなの…

もう、こんな風に龍矢に甘えてなんかられない」



ナミはそっと、俺の腕から離れていった。


離れていけば離れていくほど、彼女は多くの涙を流していく。



手を伸ばせば余裕で届くというのに、伸ばせなかった。




「…私、忘れたいの…

もう、全部……」