学園世界のイロジカル

ふふっと無理に笑った彼女を見ていられなくて、思わず抱きしめた。



腕の中で、留め金が外れたかのように、今までの比にならないほどにナミは泣いた。



俺はやっぱり泣けなかった。


その時はきっと、泣こうと思っても泣けなかった。




「龍矢…お願いがあるの…」



「…なに?」



「…抱いて」




思わず手を離しそうになったけど、ぎゅっと俺を抱いたままのナミの力に驚き、離せなかった。




「なに言ってるんだよ、頭冷やしな」



「…お願い、龍矢……抱いてよ…私を……

寂しい、の……

忘れたいの…


あの熱さを思い出すたび、苦しくなるから……!!」



ただ涙を流す彼女の手は冷たくて。

その手を何度も何度も握ったけど、暖かくなんてならなかった。


そっと自然に重なった唇も冷たかった。


…もしかしたら、冷たかったのは俺の方かもしれない。




自分は馬鹿だったな、って思う。


まだ中1だというのに。



ただ俺らは止まらず、求めあった。


寂しさを埋めるように。


なにもかも、忘れるように。


…結局、なにも忘れられないくせに。




「…龍、矢……」


「…ん?」


「ごめ、んね……」



彼女のその一言に、俺は一筋、涙を流した。


たったそれっきり。


俺の涙はそれっきり、出ることを知らないかのように全くだった。















「…大丈夫、だから。

俺はここにいるよ」