王立図書館に進む地下の階段を、できるだけ音がたたないように歩く。




…新歓の日をを思い出すなぁ。



もうあれから約2ヶ月近くが経とうとしている、そう思うと時の流れってやっぱり早いなって思う。




先頭を歩いていた柊が立ち止まり、私も立ち止まる。


後ろで零も立ち止まった。




「…王立図書館だ。

行くぞ」



「りょーかい」



「了解です」



ヒソヒソ声で言い合ったあと、そぅっと私たちの歩いていた階段に光が漏れた。



完璧に開き、柊に続いてそこにすっと身を滑り込ませる。


続いて零も。



零はゆーっくり後ろ手にその小さなドアを閉めた。



…光と言っても、薄明かりがあるだけ。


やけに薄暗い。おびただしい量の本棚のシルエットが見えるから、まあ図書館に違いはないと思うけど…



「ここは地下2階だ。

ナミがいるのは…3階だ」



「じゃあ、そんなに遠くないね。

階段を使えば1発じゃん」




「いいや…俺が言っているのは、"上から"3階だよ」




………え。


た、確かこのお城すっごく高くなかったっけ?



そ、それをバレないようにそーっとほぼ最上階まで行くって?




「…すっごい大変だね。

ま、考えるより…さっさと行こう!」



「そうですね、行きましょう、柊」



「…ああ」