龍矢の目が、閉じる。




それと同時に…うっすら見える龍矢が、完璧に消えようとしていた。



どんどん……どんどん……見えなくなる……



龍矢、行かないで…!



1人で行っちゃ、ダメ……!



なぜか龍矢とずっと、永遠に会えなくなるような、



そんな……そんな違和感がするの……!





「…俺はワガママだね。

みんなの質問には答えないで、自分の質問には答えてほしいんだ。

簡単な質問だよ…


俺が…アイツ…


……"ナミ"から見てどんなだったか、知りたいだけ」






声を出したくても、まるで喉になにかが詰まっているかのようになにも声が出ない。



体を動かしたくても、ピクリとも動かない。




手を伸ばしたくても……


彼には、届かない……!








「………ねえ。






俺は、





烏に、なれてたのかな。



龍に、なっていなかったのかな。






………今の俺は、




烏?それとも…





…………龍?」










闇烏は、闇に声ごと溶け込んで、消えた。




もう、私たちの手の届かないところへと……