「しばらく俺は帰ることができないかもしれない。

もしかしたらずっと。

けど大丈夫、俺は誓いが壊れる方が死ぬより怖い」




「おい……!!」



龍矢と柊の会話は、全く噛み合ってなかった。



ただ龍矢は淡々と、自分の意思を告げるだけで



…いつも笑っている龍矢と、なんか違う。



今は…見えもしないのに、


龍矢が笑っていない気がして…




「天草は罠にかかっただけだから。

安心して、無事だから」



「お前は…なにを……言ってるんだよ……」



「…ただ、天草はタダではないと思う。

なぜ天草があそこにいるかも、俺には分からない。


……俺は結局、なんの成長もしてないんだよ。あの時から」



「っ……龍矢……」




闇に溶け込んでいたはずの龍矢の顔が、うっすら見えた。


どこからか光が漏れているらしい。








…ふと、目が合った気がした。








龍矢の少し見える表情は…やっぱり笑ってなくて。


ただ私は、彼の目を見続ける。




…そして彼は、笑った。




でもなんか、違う。




自嘲気味に…ふっと、寂しそうに……





「最後に質問していいかな」