学園世界のイロジカル

「いやでも本当に感心しましたよ。

椿、留学経験でもあるんですか?」




「留学?……んー……」



留学っていうかー…



「11歳まで私、ニューヨークにいたしなぁ」



「…え?」



「あれ、言ってなかったっけ。

私がド田舎に住んでいたのはほんの数年。ずっとニューヨークにお世話になってたんですよ」




日本産まれニューヨーク育ち。


かっこいい響きがするかもしれないけど、実際大して私はかっこよくないからなあ…かっこつけない。




「…いや言ってなかったっけ。じゃないですよ。

…そうだったんですね」



なんか結構驚いてるみたい。

目見開いて「なるほど」とか言ってるもん、零。


別に隠してるつもりはなかったんだけど。




「あ、もう帰っていいみたい。

帰ろー」



「は、はい……」




クラスメイトに手を振りながら帰りの用意をする。


よし、オーケー!




「椿、早く出ましょう。

もうみんな教室から出てますよ」



「あ、ごめーん…


……って、あれ、出てるっていうの?」




「……言うんですよ、多分」



私にはどう見ても、生徒たちが教室の入り口で騒いでるだけにしか見えない。


きっとその奥には…




「ちょっ、どいて!二階堂椿と江崎零、呼んでくんない!?」




「……零、どうする?」



「僕は帰りたいです」



「うん、私も。

よし、れっつごー半世界」




まだ生徒がいない方の反対側の出口に行き、出ようと試みるも…



「あ!お、おいお前ら逃げんな!緊急事態なんだっつの!」



「…バレちゃったよ江崎君」



「…走りましょう二階堂さん」



廊下を思いっきりダッシュ!気持ちいい!



後ろからすっごい勢いで誰か追いかけてくるけど気にしない!



私と零の名前を呼んでるけど気にしない!