「…お、おかしいな。なにこれ。すっごいまずい。


数に限りがあるからって昨日作った後食べなかったんだよねー…」




「…椿は料理が苦手、と。覚えておきます」



「い、いやー人並みだよ?」



「じゃあ得意料理は?」



「いやあもちろん冷凍食品」



絶妙なタイミングで電子レンジを操作することができると思うよ!


冷凍食品を食べたかったら私に言いなさい!


チン!してあげるから!




「椿、もう教室ですし。

そのいぶ…クッキーしまってください」



「いや今異物って言いかけたよね!?え、もうこれ料理でもないの?

私が作ったのってなに…?」




苦笑いを浮かべながら「じゃあね」と言って、逃げるように隣のクラスに入るナミと龍矢。


うう、ひどい!



「…椿」


「…なんかまだバカにしたいんすか」



零の後を追って教室に入ろうとした時、後ろから柊に腕を引っ張られた。




……なんですかね?




「俺の舌がおかしいと思うか?

お前のクッキー、美味かった。
もしかしてお前が唯一成功したヤツなんじゃねえの、コレ」



にやりと笑いながら言う柊に、私もにやりと笑う。