_自分を助けてくれる存在は

全てが、消されていく_









「君みたいな人がなんで全寮制のこの学園に来たのか、聞いていいかな?」







決して不自由な暮らしをしているわけじゃないし。



逆に、とても恵まれた生活をしているだろう、と。





表だけの自分を見た人は、みんなそう言う。







「…ただ、逃げただけです」




「…なにから?」





そうだ。



俺は、なにから逃げているのだろう。




怒鳴っても怒鳴っても、追ってくるあいつはもう消えたというのに。














とある少年はただ願った














『鎖から逃れたい』