いつも通り笑ってはいるけど、どこか心配している様子の龍矢の息は上がっていた。




なんか…申し訳ないな……




「大丈夫。

この通り、ピンピンだよ!」




「……そりゃ良かった」



安堵の息をこぼした龍矢は、その笑顔をシロさんに向ける。




「……なにをしちゃってるんだあなたは」



「きゃー怖いー、龍矢顔こわーい」



「笑っているんだよ一応」



その笑顔が怖いんだよ、とはさすがに言えない…!


今言ったらその笑顔が私に向けられる……!




「まあまあボスが片付いて他の牛男も統制ないからに乱れてきてるしー。

すぐに終わるだろうから帰ろっか」



「…まだ話は…」



「はいはい、明日のために2人とも早く寝た方がいいよー?」




そっか……明日はついに、学生決闘最終日……



明日からは、尋常じゃないほどの強さの敵がきっと出る。



私も心を入れ替えて頑張らないとね!




…………視界が、灰色になった。




え…これ、なに……?


頭がコンクリートに当たる衝撃。


景色は横倒し。




「椿っ!」


「……椿ちゃん……」



明日…頑張らなきゃ、いけないのに………




なんでだろう、


すごく……つか、れ………







私は、目を静かに閉じた。