……え?




「で、でもさっきシロさん普通に、見てきたことがあるからだよ、とか言って…」




「つまりこの人は簡単に犯罪を犯してるってことなの」




……や、やっぱり。



やっぱり半世界の未来も、管理委員会の未来も真っ暗です。闇です。



もう手遅れだよ…



さっき一瞬でもすごいと思った私…私がバカだったよ……




「椿ちゃん、なにその冷たい目ー。

せーっかく僕が君の超能力探しの手助けをしようとしてたのになー」




「……超能力探し?」




私の言葉にニコッと笑うとシロさんは、立ち上がって部屋の後ろの方にあるどでかい本棚へ。



その本棚のロックは指紋認証とパスワード式らしく…



開けるのに1分近くかけてやっと開いたそれから、奥の奥の方にある紙の束を取り出した。





「これ超能力の種類に関しての書物のコピー。手書きだけどねー。

結構役立つと思うよ、僕の知識は」




まるで誘い込むかのように。


紙の束をちらつかせながら再びソファに座ったシロさんを、私たちは黙って見ることしかできなかった。


例えば、と笑って続ける。




「超能力使いは、超能力を使った直後だと…回復魔法が効かないんだ。

超能力の力が強すぎて、弱めの魔法である回復魔法の効力がなくなっちゃうからね」



た…確かに。


私…回復魔法、効いてなかった…






「……これだから、敵わないや。シロさんには」




もう慣れっこだよ、と言いながら笑う龍矢をまたシロさんも見て笑っていた。




うう、シロさんおそるべし…敵にしちゃいけないタイプだ。