「…大丈夫、まだ分からないし。

それにしても厄介だな…練習室だって常人じゃ取れない場所をとったは……」




そこで言葉を切った龍矢の顔は、明らかに何かに気が付いた顔。





「…まさか……」



「え、え?どうした?」




もう第九闘技場の周りにそんなに人はいないけど…残りのわずかな人が、ただでさえ有名な龍矢を撮っているファンらしき女子が大半だから!


…でも男の人もいるな…?



キャー!とか言う黄色い、まるでアイドルにでも会ったかのような声を出す彼女たちには目もくれず、龍矢はポイセを操作し始める。




…良かった、だんだんファンの子も少なくなってるけど…




残りの5人にも満たない、明らかに大人な男の人たち…あの人たちはなんで今もここに?




私のところから見えないと思ってるのかな?なんか闘技場の前の小さい像の奥にいるけど、バッチリ見えてますから。


全身黒だけど、逆にこんな真っ昼間じゃ見えすぎている状態ですから。



「……椿、すごい厄介なことになっちゃったよ…」




「うん確かに厄介だよね、あの男たち」




私の目線に気付いた1人の男。


慌てて逃げるその男の後ろについて走り逃げる3人?の男。





「…いやなんの話?」




「え、あの男たちの話だよね?」



「え、どうしよう俺ら噛み合ってない感じだよ。

俺が言ってるのは超能力使いがバレたのかも、って話だよ」