学園世界のイロジカル

やっぱり職持ちになると零みたいに勧誘されるのが普通みたい。



…でも、私、全く音沙汰ナシなんですけど…!




「よそ見しないで!」




泡立て器を抱えながら猛突進してきたのを、今度はさらりと避ける。



…決してよそ見してないんだけどなぁ。



逆にちょーっと悲しくなって、余裕なんかなかったんだけどなぁ…




「お店のみんなも…私を応援してくれるんです。


今だって、観客席のどこかにいてくれるんです…!」




観客席?



そんなもの…ないけど…



周りを見ても、原っぱだし。ちょっと壁があって、そこにドアが2つ、対峙しているだけ。




「知らないんですか?

空間を操作する能力を持つ方が、私たちには見えないように観客席を作っているんですよ。

今だって見えませんけど…観客席はあるんです」





「へぇ…じゃあ龍矢もどこかにいてくれてるんかなぁ…」





「と、とにかく!

私はその方たちの期待を裏切ることはできないんです!!


お、おとなしく降参してください!」



降参って言われても…私だって応援してくれる人の期待を裏切ることはできない。



ブンブンと小さな体で泡立て器を振り回す女の子の顔は…鬼気迫る!って感じ。



…なんか、違う気がする。