学園世界のイロジカル

「実の母は愛人で殺され、

信じていた義母に裏切られ、

自分を救ってくれた師匠に売られた。


自分でも驚きますよ、凄い人生だなと」




…もし私が零と同じ人生だったら、私も人を信じられなくなっていたのかな。



自分の人生をなんとなく振り返りながら、そんなことを思う。



今までの私の人生だって、結構大変だったけど…みんな大変なんだ。




「僕は幸せですよ。また他人とこう話せて。

ですが…」



その先の言葉が、なんとなく分かってしまったから…

逆に私は、顔を上げてその言葉を待つ。




「僕はまだ、人を信じることなどできない。

柊も、椿も」





…やっぱり。



零はきっとそんなことを言うって、そう思った。



別にそれを責めたりはしない。



っていうかまず私に、それを責める権利はないし。



人は誰にだって他人を信じられない心があるには変わりない。



ただ…零の場合



いろいろな事が積み重なって…人の何倍もその心が大きくなっただけ。





「そんな人と関わりたくないというのなら、離れてくださって構いません。

僕は…もう人とこんな風に関われただけで奇跡だと思っているのですから」




零は私と柊に、まるで諭すかのように言った。


けどその瞳はどこか悲しげで。




「…ばっかじゃないの」




なんか、阿呆らしい。いつも零に阿呆だの馬鹿だの言われてるけど、


絶対今は零が阿呆で馬鹿でおたんこなすだ!