自分で話すことは、無理…と、そう書いてあるメッセージにもう一度目を向けた。



その一文に、零の気持ちが率直に現れている気がする。



…零、いつも無愛想だし、厳しいけど…弱音とか、全然はいてなかったよね。



けど、零だって怖かったんだ、きっと。




自分のことを話すのは、他人を信じるのは同じだ、とか…さ、きっと零は思ったんだろうな。





「だから俺はたまたまここに来たんじゃねえ。

もしかして零は…椿に自分の話をしようとしているんじゃねえかと考えてここに来た」




そしたら零が苦しそうにしているところだった、ってこと?



柊を見た零は…私に"続き"を話すように頼んだんだ、目だけで。






「…柊ってやっぱ生徒会長に選ばれるだけあるね」



「どうした、急に」



「ほら、人にいつもぶっきらぼうだけど、なんだかんだ優しかったり友達思いだったりするよね!」





柊は何だソレ?みたいな感じの顔をしたあと「悪かったなぶっきらぼうで」と言って顔を背ける。




あーあ、照れちゃった?なんて思いながら顔を見てみると、柊は結構真面目な顔をしていて。




「椿もすげえと俺は思うけどな。

なんだか、人を惹きつけるなにかがあるし、いつもハチャメチャだけど」




「…、は、ハチャメチャで悪かったですね」





「あれ、照れちゃった?」




「照れてない!」