「……して…」



し、して?



「なにしてほしいの!?

今なら特別サービスで限度はあるけどこの椿様がしてあげるから!」




相変わらず上から目線ですね、馬鹿ですか。



そんなことをいつもの零だったら言うはずなのに。





「…う、して」



「う…ってなんだ?」




「ど、うして…どうして……」





そこで私はやっと気付いた。



零は、何かをして欲しいんじゃない。



誰かに、確かに誰かに問いかけている…




「零!大丈夫!?おーい!」



運良く個室だから、大声あげてもある程度まではいけるけど…


ちょっとうるさかったらしく、零が「う〜ん…」と唸る。



こんな弱気そうなんて…珍しいな、こんな姿。2度と見れなさそう。



「う…ん……?」



「零!目、目あいた!やった!

ねえ分かる、椿様だよ!」




ぱち、ぱち、と何回か瞬きした零は

少し眠そうな目で私を見つめる。



良かった、良かった……!


お医者さんや看護師さんに知らせようと近くのナースコールを掴……




もうとした時に。





「…出てけ」



「え?」