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昔から、なにをするにも早いほうだった。





立つのも、歩き出すのも。



言葉を話すのも、自由に話せるようになるのも。






”人の目”がどこに行くか、分かるのも。

















「あんな子、いらないのよ」





「おい、もし零が聞いてたら…っ、零!?」




「…いつからそこにいたのよ。

気味が悪い子ね」





僕という存在がいらないと理解するのも。





「あんたは所詮、あの女の血をひいてるのよ。

なのに…どうしてお兄ちゃんの良いところを、全て奪ってしまうのよ!!


あんたのせいで、あんたのせいで!!」











兄という存在が僕を殺しているのも。














「君には…天才になる”素質”がある」















とある天使の皮を被った悪魔に微笑まれ、



魂を奪われるのも。
























全て、早かった。