「本当の江崎零は、

社長である父と__」




「黙れ!!」





声の発生源が分かったのか、古びた建物とシャッターが閉じている店の隙間に飛び込んでいった零。




人1人が入れるぐらいの隙間に細身の零はするりと入って行く。




「零!!」






私が叫んだと同時に





ガン!!という音が辺りに響いた。





「れ、い…零、零!!」





急いで零が入っていた路地裏のようなところを覗く。



そこには、零が倒れていた。



赤い、血の池を作って。




「零、しっかりして!」



駆け寄ろうとしたところで


またあの声が聞こえた。




「所詮は”零”か。

攻撃するつもりはなかった。反応を見てみたかっただけなんだ。

許してくれ、零君」