*


「ん………」



眩しい光に耐えられず、目を覆うように両手を被せた。


ここは…どこだろう?


…そうか。


全て、夢だったんだね!



そりゃそうだよなー、異世界とか意味分からないもんなー。




「椿、起きましたか」


「うわあぁぁっ!!!?」




い、いいい今、零の声が聞こえた!


バっ!と両手を外し、目の前の光景を見ようとする。



そこには、私を見下ろすようにして立っている、


零の姿……!







「…夢、じゃなかったぁ…」




「僕もそれ、思いました。

現実を受け入れましょう。起きてください」




うぅ…この人に優しさという物を見せられない感じ…零だ。



体を起こし、周辺を見回す…

って、ここはどっかの…部屋?




私が寝ていたのはベッドらしい。いや、超ふっかふか。もっふもふや。


部屋は結構広めで、端っこの方には机と椅子。ドアも後3つ程あった。





「ここ…どこなの、零?」



私の質問に、零はダルさを隠そうともせずに答える。

…本当に不良みたい。



「僕もベッドに寝ていたんですよ」






「え!?…

零、欲求不満だからって…!普通、寝ている女子を…!」





「馬鹿なんですか椿は!?

僕があなたを襲う!?馬鹿らしい、別の部屋に決まってるじゃないですか!!」