学園世界のイロジカル

けど、なにより…



「なんだ、あの髪は」



思わず口に出てしまう。




その言葉が聞こえたのか、ステージ上の真白先輩がこちらを向く。




や、やばっ。私最前列なんだから、聞こえるに決まってるのに…



すぐに口を手で押さえたけど、もう出てしまった言葉は戻せない。



相手は先輩だし…ちょっと怯え気味に上を見上げる、と…




真白先輩は明らかに私に向かって、パチン、とウインクをしたのだ。






「…へ」




た、確かにカッコいいけれども。




いきなりウインクされても…しかも今名前知ったし。



戸惑いを隠せない私を見て面白そうに笑うと、無駄のない動きで一礼して3人の横に並んだ。





「…あれ、おかしくないですか」



「何が?」





零が私の問いに答えようとしてくれていたのか、口を開けたとき。



遮るように真白先輩が話し始める。






「本来、半世界五傑席はもちろん5人いるってのはみんな知ってるね?」





話し方もちょっとゆっくりめで、聞きやすい。



…やっぱ雰囲気が、白馬の王子さまっぽい。




そんなくだらないことを考えてる私の周りの女子は「もちろんです!」なんて笑顔で答えたりしているけど。





「けど、今回候補者が残念ながらでなくてね…



”第五席”は今回、”空席”だ」