…どうしよう。



悔しいけど、すっごくかっこいい。





「なんか、異国の王子様みたいだね」




「その言葉、嬉しくないですからね?」




極めて真面目な顔で言う零に、思わずプッと吹き出す。



見た目は王子様でも、中身はまだ堅物君か。




「…そんなこと言っておいて、椿も相当周りに影響与えてますからね?」




「え?」





そこで私はぐるっとまわりを見てみる。




そこには…




大勢の男子生徒と女子生徒が、目を輝かせてこちらを見ていた。





…なんか、怖いんですけど。


特に、女子の目が。



ギラッギラのギラッギラ…大半が肉食系女子だなあ、きっと。






「ま、そんなの放っておこ!


今のうちに、できるだけステージに近い方に行こうよ!」





「…放っておこうって。

…本当、見た目とのギャップがすごい人ですよね」





「…性格が可愛くないという言葉は聞き飽きましたー」




昔から言われてますのでね、その言葉は。