黒い黒い漆黒の髪色に、まるでゆでたての卵の殻をむいた直後のような、つるんとした肌の白さと弾力と言ったら。




それにはえる情熱の赤。いや、深紅と呼ぶべき赤…




その赤はあなたを薔薇のように、気高く美しいものにさせます。



椿という名前もあなたにピッタリです。



薔薇と椿は、上品さが違うのかもしれない…いえ、儚さが違います。




可憐で孤高の美しさを持ちながら、儚さもある高嶺の花…




動くたびにその美貌で周りの者を魅了し、翻弄させ…！





その周りの目線にも臆することのないあなたの姿勢こそがまたうつく…









「あのー、もういいですかね」



「え！？

あ、あら、あたしったら！！つい！！」




「い、いえ大丈夫です」




私に似合うドレスを選んで着せて下さったキレイな人。

見たこともないような、透き通るような薄い水色の髪はポニーテール。


目にカラコンを入れているのか、それとも本当にその色なのか…うっすら青い。


けど仕草や動き方から、良い家に産まれたんじゃないかな？ってほど上品な感じ。



でも、声もちょっと高めで女子力高めな可愛らしい女の子みたいな面もありそう。



1つ年上のデザイナーさんらしい。




…かなりポエマーな。






「で、ではこれで…」



「また来てくださいね、椿さん！」



「はあ…」




曖昧な笑みで返しても、その人はニコニコニコニコ。



うぅ…なんでだろう、罪悪感。



今度会ったときは挨拶してみよう。