学園世界のイロジカル

みるみると左手にまとわりついていた赤い血は消え、ナナメの切り傷はふさがって…




「あ、あれ?

ちょっと待って、もう1回…!!」




異変を感じたナミがあわてながら呪文を唱える。



淡い緑色の光が私の左手を包んで…




「な、なんで!?

傷がふさがらない…!!」




「大丈夫、痛みも少しは引いたから…」




「いや、でもなんで!?」





左手には…痛々しく生々しい、見るのも嫌になるようなでかい切り傷がいまだに残っている。



もうとっくに淡い緑色の光は消えて…



これ以上、ナミの治癒術が効くとは思えなかった。





「まあ…でもすべての人形は片付いたし。

あとは…」




いつの間にかそこにいた龍矢が、ニコッと笑いながら後ろにいるQを見た。




人形たちはピクリとも動かない。みんな、私と同じように倒れている。




零にまとわりついていたのは柊が倒したらしく、零が静かにお礼を言っていた。






「…もともと、1対5で勝てるなんて思っていませんよ」




またステッキをぐるぐーる回しながら、いやらしい笑みを浮かべるQ。


なんだか悔しくなって、私は上体を腹筋の力で勢いよく起こす…




「って、いったい!」



…けど、まだ癒えない傷がある左手で床を押したせいで、猛烈な痛みに襲われてしまう。




うぅ…痛い。

切り傷なんて、紙で指を切ったモノ以来だっつの…