15時55分。 「はあぁ、もう無理。帰りたい。」 私、立木 こゆりは、校舎裏で待っていた。 …ラブレターの宛先である野々村 翼のこと。 いつも、素直になれなくて。 ずっと伝えられていない、二文字を伝えるために。 「いや、頑張れ、私。 …今日こそ、伝えるんだ。」 そう、小さく意気込む。