なにしに来たんだろう…


疾風さん…



夜。月を眺めていたら、門を出る疾風さんの姿を見て、気配を消して、後を追っている




私だと気付かれてもバレないように、黒いパーカーと白の短パン。
パーカーは、フードを深く被っている




バキッ ドスッ







うわっ。喧嘩してるよ


疾風さんは、不良10人を相手していた


疾風さんの後ろには、怯えている男の子。



逃がした方がいいよね





『君っ』

〔っ!ぁ…〕

『こっちこっち』

〔は、はぃ…!〕





男の子は、かがみながら、私のほうに来た





『大丈夫?』

〔は、はい。ありがとうございました〕

『私はなにもしてないよ。
あの人に、こんど会ったらお礼いっときなよ?
危ないから、寄り道しないで帰ってね』

〔は、はい!!〕