先生はそう言って私の顔を見るとニヤッと笑った











「ま、なんだかんだ言ってるけど
俺が単に神凪に芸能人になってほしくないだけだけどなー」











え??


ええ!?



それは一体どういうことなんだろう?











「惚れてる人を他の人には見て欲しくないって思うじゃん?」





「なっ…」











言われた瞬間顔が赤くなるのがわかる



そんなこというなんてずるいよ…











「たんぽぽ」











先生は周りをキョロキョロと見て
誰もいないのを確認すると、顔を近づけてきた





たんぽぽって呼ばれちゃったよ〜











「ミナ…くん」











私が先生を呼んだのと同時に
二人の唇が触れ合った





そう、キスしちゃいました




ゆっくりと名残惜しく離れる唇











「先生…す、す…」











好きです



そう言おうとしたらまたしても塞がれる唇





曖昧な関係
それでもこんなに優しい先生とのキスは
この瞬間だけでも恋人になったみたい…