そんなことを考えていると、夜風が室内に流れ込み、身体がブルッと少し震えるのを感じた。


季節の変化を感じさせられる秋風。


そういえば窓は開けっ放しだったんだ。


私はまた風邪を振り返していけないと思い、窓を閉めようとそれに近づいた。


そして窓に手をかけながら外を見ると。


空には


ーーー綺麗な満月。


そういえば昼のニュースで今夜は十五夜、中秋の名月だと言っていたのを思い出した。


藤くんも……この満月を眺めていたりするのかな?


私と同じように考えて……はいないだろうな。



夏風邪は治ったけれど、



この恋の病に



治療薬なんてあるのだろうか。



それから窓を閉め、再び机についた私。


シャーペンを持ち、藤くんのノートに書かれていた文章に書き込みをした。


1ページにつき、藤くんへの愛100%


と付け足して。