ナナ色Heart

本田さんは、あたし達がいるのとは逆の方向へと駆け出したみたいだった。

行くよ、と真央が眼で合図をしたから、あたしたちはそっと食堂へと引き返した。

山内君はそれっきり食堂には来なかったから、教室に向かったんだと思う。

凄く動揺してしまって、それは真央も同じみたいで、あたしたちは暫く無言だった。

「山内君てさ、イイ男かもよ……中身も」

あたしはコクンと頷いた。

自分に告白した女の子に、優しかった。

無駄に優しくした訳じゃないのが、見てとれた。

彼女の勇気とか、自分に対する気持ちとかを、ちゃんと理解してあげて、誠実な対応だったとおもう。

あたしなんかより、断然大人だ、彼は。

あたしは今までに何度か告白されたけど、

『ごめんなさい、今は誰かと付き合うとか、考えられないです』