「誰かがナナを好きになるのを、俺が止めることなんて、出来ない。
人の心は自由だからだ。
もし、ナナがお前を選ぶならそれは仕方ないし、俺がどうこう言う事じゃない。
ナナの心一つだ」

俺は、篠田を正面から見据えて言った。

「ただし、ナナの気持ちを無視した行動をとるな。
あいつを傷つけたら、俺が許さない」

篠田は、無言で頷くと、俺の脇をすり抜けて姿を消した。

俺は、天井を仰いで大きく息をついた。

なんだよ。

ライバルは、『爽やかイケメン年下サッカー部員』かよ。

長いわ。

俺はカバンを担ぎ直すと教室へと足を進めた。