ナナ色Heart

『ナナ、大丈夫?!みんな心配してたよ』

スマホから、真央の心配そうな声が聞こえてきて、あたしはホッと息をついた。

それから駅の脇の階段を降りて、最近作られたばかりの噴水前のベンチに腰を下ろした。

噴水の横には狭いけどステージがあって、誰でも申請すれば借りることが出来る。

このステージは、よくインディーズバンドが演奏していて、CDを手売りしているんだけど、今日は誰もいなかった。

あたしは、誰もいないステージを見つめながら口を開いた。

「真央……あたし、山内君と別れたんだ」

『はあっ?!どうして?!』

聞いて欲しい。

でも、言えない。

あたしは、心配ないというようにちょっと笑った。