彼女は一気に捲し立てて、肩で大きく息をした。

「あなたがいなければ、私達はまた恋人同士に戻れたのよ!!あなたが壊したのよ!!」

眼を血走らせた彼女は視線が定まっていなくて、あたしはゾッとした。

何を言っても今の彼女には届きそうじゃないって、思えた。

あたしは、震える体をどうすることも出来なくて、ただ彼女を見つめた。

「玲哉の恋人がどうなってもいいの?」

……え……?

「あなたが蓮と別れないなら、玲哉の恋人を放り出すわよ。今までの治療費だって、返してもらうわ。でも、あなたが蓮と別れるのを約束するなら、彼女の治療はつづけてあげる。治療費も私が出すわ」

彼女は言葉とは裏腹に、実に可愛く笑った。