自分から重ねておきながら急に自分のしている事が恥ずかしくなって直ぐに離れた。


「沙紀…さん?」


きょとんとした顔の陽日がなんとも可愛く見えてしまう。


私、旅行に来て温泉に入ってかなり開放的になってる?


こんな私、あり得ない。


やっぱりまだ酔いは冷めてないのかな。


いや、夜風のお陰ですっかり頭は冴え渡り、体も少し冷えすぎたくらいだ。


「さて、そろそろ宴会場に戻ろうかな。」


これ以上ここにいると恥ずかしくて耐えらんないわ。


立ち上がると陽日に手を引かれそのまま膝の上に座らされた。


「きゃっ。ちょ、ちょっと止めてよ。」


「やだ、今の沙紀さんめちゃ、可愛くてこのまま押し倒したいくらいなのに。」


さっきまであんなにもぼぞぼそと喋ってた癖に急に調子に乗った事を言い出す陽日。


いつもの陽日だ。


「バカッ、変な事言わないの。」


お互いに浴衣のせいか陽日の体温が直に感じちゃって意識しだすと急にドキドキしてきた。


「沙紀さん……めちゃ、好きーー」


私は二度目の深いキスを陽日から貰った。