私の手はまだ藤枝さんに取られたままだ。
「あの……手、離して貰えませんか…。」
「嫌だ。」
「えっ?」
その返事に驚いて顔を上げるとーーー
フワッ
ぐっと引き寄せられそのまま藤枝さんの胸に飛び込む形になった。
「きゃっ…」
今、私はデスクの下に座り込んで跪く藤枝さんに抱きしめられている。
「沙紀、ごめん。少しだけでいいから、このまま聞いて。」
離れなきゃって思うのに…
やめてくださいって言いたいのに…
上手く言葉が出てこない。
藤枝さんの胸で覚えのある柑橘系の香りを嗅ぐと一瞬にしてあの頃を思い出す。
この胸が私の落ち着く場所だった頃の事を……。
「沙紀、僕は離婚したんだ。」
耳の側で懐かしい藤枝さんの少し甘い優しい声が響く。
リコンシタンダーーー
その先の言葉を聞くのが怖くて仕方ない。
「沙紀、勝手な事を言ってるのはわかってる。だけどやっぱり君を見ると自分の気持ちに嘘はつけない。」
ダメだーーー力が入らない
「沙紀……僕はーーー」
「あの……手、離して貰えませんか…。」
「嫌だ。」
「えっ?」
その返事に驚いて顔を上げるとーーー
フワッ
ぐっと引き寄せられそのまま藤枝さんの胸に飛び込む形になった。
「きゃっ…」
今、私はデスクの下に座り込んで跪く藤枝さんに抱きしめられている。
「沙紀、ごめん。少しだけでいいから、このまま聞いて。」
離れなきゃって思うのに…
やめてくださいって言いたいのに…
上手く言葉が出てこない。
藤枝さんの胸で覚えのある柑橘系の香りを嗅ぐと一瞬にしてあの頃を思い出す。
この胸が私の落ち着く場所だった頃の事を……。
「沙紀、僕は離婚したんだ。」
耳の側で懐かしい藤枝さんの少し甘い優しい声が響く。
リコンシタンダーーー
その先の言葉を聞くのが怖くて仕方ない。
「沙紀、勝手な事を言ってるのはわかってる。だけどやっぱり君を見ると自分の気持ちに嘘はつけない。」
ダメだーーー力が入らない
「沙紀……僕はーーー」



