「えっ?」
「名前……昔みたいに。直久(なおひさ)って。」
確かに付き合ってる頃、私は恥ずかしがりながらも彼を直久さんと呼んでいた。だけどーーーー
「な、何言ってるんですか課長。私達もうそういう間柄ではありませんし。」
そう、名前で呼ぶなんておかしいよ。
ダメだ……。
なんかいけない気がするこのままここにいちゃ。
だってあの時にもう終わったんだもん私達は。
それに私の気持ちだってもう過去のものになっている。
仕方ない。
明日、朝イチで出社して残りはやるとしよう。
パソコンのデータを保存して急いで身支度をする。
なのに上手く手が動いてくれない。
つい、片付けなければいけない資料を落としてしまった。
「やだ……拾わなくちゃ。」
デスクの下に散らかる資料を拾おうとしゃがみ込むとーーー
「手伝うよ。」
藤枝さんも側に来て資料を一枚一枚集めてくれた。
「すいません。後はもう大丈夫でーーー」
伸ばした私の手に藤枝さんの手が重なった。
「あっ、ごめんなさい。」
手を直ぐに引っ込めようとしたのに藤枝さんにその手を取られてしまった。
「沙紀、待って。」
「藤枝さん……。」
「聞いてほしい話があるんだ。これから時間ある?」
聞いて欲しいって……もしかして志賀が言ってたあの話?
だけど今更、それを聞いても私達はもう終わった関係だし………。
「ごめんなさい。今日はちょっと…」
「そっか、急だもんね。悪かった。だけどこれだけは今、言わせて。」
「名前……昔みたいに。直久(なおひさ)って。」
確かに付き合ってる頃、私は恥ずかしがりながらも彼を直久さんと呼んでいた。だけどーーーー
「な、何言ってるんですか課長。私達もうそういう間柄ではありませんし。」
そう、名前で呼ぶなんておかしいよ。
ダメだ……。
なんかいけない気がするこのままここにいちゃ。
だってあの時にもう終わったんだもん私達は。
それに私の気持ちだってもう過去のものになっている。
仕方ない。
明日、朝イチで出社して残りはやるとしよう。
パソコンのデータを保存して急いで身支度をする。
なのに上手く手が動いてくれない。
つい、片付けなければいけない資料を落としてしまった。
「やだ……拾わなくちゃ。」
デスクの下に散らかる資料を拾おうとしゃがみ込むとーーー
「手伝うよ。」
藤枝さんも側に来て資料を一枚一枚集めてくれた。
「すいません。後はもう大丈夫でーーー」
伸ばした私の手に藤枝さんの手が重なった。
「あっ、ごめんなさい。」
手を直ぐに引っ込めようとしたのに藤枝さんにその手を取られてしまった。
「沙紀、待って。」
「藤枝さん……。」
「聞いてほしい話があるんだ。これから時間ある?」
聞いて欲しいって……もしかして志賀が言ってたあの話?
だけど今更、それを聞いても私達はもう終わった関係だし………。
「ごめんなさい。今日はちょっと…」
「そっか、急だもんね。悪かった。だけどこれだけは今、言わせて。」



